豚肉のチーズ焼き
おくらの胡麻和え
きゅうりとわかめの酢の物
白ご飯
赤だし
きゅうりのぬか漬け
| 食材 | 成分・栄養素の手がかり |
|---|
| 豚肉 | たんぱく質、ビタミンB1 エネルギー代謝に関わる栄養素として知られています |
| チーズ | たんぱく質、カルシウム 骨の材料となるカルシウムを含みます |
| おくら | 食物繊維、水溶性の粘り成分 独特のとろみを生む成分を含みます |
| きゅうり・わかめ | 水分、ミネラル、食物繊維 水分が多く、みずみずしさが持ち味です |
| 釜揚げしらす | たんぱく質、カルシウム 小さくても栄養が詰まった食材です |
酢の物の米酢は、料理に酸味の輪郭を添える役割も担っています。
豚肉のチーズ焼きに立ちのぼる、焼き色と香りの正体
豚肉にチーズをのせて焼くと、表面がこんがりと色づいて、なんとも言えない香ばしい匂いが漂ってきますよね。あれ、ただ「焼けた」だけではなくて、糖とアミノ酸が加熱で出会って起こるメイラード反応が背景にあります。豚肉やチーズに含まれるアミノ酸と、ほんのわずかな糖が手を取り合い、茶色い焼き色と香りの成分を次々と生み出していく。台所で毎日のように起きている、地味だけど働き者の化学反応です。
そしてチーズ。加熱するととろけて糸を引きますが、あれはチーズの中のたんぱく質と脂質が温度によって表情を変えているからです。冷たいうちは固まっているたんぱく質のネットワークが、熱でゆるんで流動的になり、抱えていた脂肪や水分と一緒に「とろり」へと姿を変えます。焼きすぎると今度は水分が抜けて固くなってしまうので、あの絶妙なとろけ具合には、実はちょうどいい加減の見極めがあるんです。
ひとつ触れておきたい事があります。チーズの「うま味」の正体のひとつはグルタミン酸で、これは昆布だしのうま味成分と同じ仲間なんです。つまりチーズは、洋風の顔をしながら、和食のだし文化とこっそり親戚関係にある。デミグラスソースのコクとチーズのうま味が重なると、味に深い層ができるのはそのためです。
ちなみに、チーズが伸びるのを見て「よく伸びるなあ」と感心していると、豚肉のほうは加熱でたんぱく質変性が進み、じわじわ縮んでいます。片や伸び、片や縮む。ひとつのお皿の上で、正反対の運動会が静かに開催されているわけですね。
味や香りを楽しみつつ、その裏でこんな小さな反応が重なっていると思うと、いつもの一皿がちょっと違って見えてくるかもしれません。
【用語メモ】
・メイラード反応:糖とアミノ酸が加熱によって反応し、焼き色や香ばしい香りを生む反応。
・たんぱく質変性:熱などによって、たんぱく質の形や性質が変わること。
・グルタミン酸:うま味に関わるアミノ酸のひとつ。昆布だしにも含まれます。