海老カツ
ひじきの煮物
かにの卵豆腐
白ご飯
赤だし
きゅうりのぬか漬け
| 食材 | 成分・栄養素の手がかり |
|---|
| バナメイ海老 | たんぱく質を含み、うま味に関わるアミノ酸も含みます |
| 白身魚のすり身 | 低脂質でたんぱく質を含む食材として知られています |
| ひじき | 食物繊維やミネラルを含みます |
| 大豆・油揚げ | 植物性たんぱく質を含みます |
| 玉子 | たんぱく質やビタミンをバランスよく含みます |
揚げ物・煮物・蒸し物と調理法が分かれているので、油のなじみ方や水分の残り方の違いも一皿の中で楽しめます。
海老カツの弾力を生む、海老のたんぱく質と加熱の物語
海老を噛んだときの、あの「ぷりっ」。あれって実は、海老の筋肉に含まれるたんぱく質の性格そのものが表れた食感なんです。
海老の身は、細長い筋線維がぎゅっと束ねられた構造をしています。生のうちはたんぱく質が水分を抱え込みながらしなやかに並んでいますが、加熱するとこのたんぱく質が変性して、形を変えながらお互いに結びつきます。このとき水分の一部を抱えたまま網目状に固まるので、あの弾むような歯ごたえが生まれます。ゆですぎるとゴムっぽく硬くなるのは、この網目が締まりすぎて水分を逃がしてしまうから。海老カツを揚げるとき、衣で包んで一気に火を通すのは、身の中の水分を守りたいという狙いもあるんですね。
そして海老を語るなら、色の話も外せません。加熱すると海老がぱっと赤くなるのは、アスタキサンチンという色素のしわざ。生のときはたんぱく質と結びついて青灰色に隠れているのですが、加熱でその結びつきがほどけて、本来の赤オレンジ色が顔を出します。つまり茹でた海老は、色素が「脱いだ」姿というわけです。
それと、ちょっと海老とは離れますがフラミンゴがあの鮮やかなピンク色をしているのも、餌に含まれるアスタキサンチンをためこんでいるからなんです。海老の色素とフラミンゴの色、実は同じ仲間。海の底とアフリカの湖が、色素でつながっているなんて不思議ですよね。
ちなみに、海老を茹でるときに背中を丸めてキュッと縮こまるのも筋肉の収縮のせい。人間なら寒い日に肩をすくめる感じですが、海老の場合は最後まで身をよじって主張してくる。揚げる前にお腹側に浅く切り込みを入れておくと、まっすぐ揚がってくれます。海老の意地を、ちょっとだけ料理人がなだめているわけです。
今日の海老カツは、そんな海老のたんぱく質に、白身魚のすり身を合わせています。すり身は魚のたんぱく質を練り上げてなめらかにしたもので、海老のぷりっとした食感の間をやさしく埋めてくれます。うま味成分の重なり方も違うので、ひと口の中で二種類の海の味がそっと会話しているような組み立てです。
【用語メモ】
・たんぱく質変性:熱などによって、たんぱく質の形や性質が変わること。加熱で身が固まるのはこの働き。
・アスタキサンチン:海老や鮭などに含まれる赤系の色素。加熱で色が表に出る。
・筋線維:筋肉を作る細長い繊維。束ねられた構造が食感のもとになる。