かぼちゃコロッケ
帆立とワカメのぬた
おくらと豚肉のカレー炒め
白ご飯
赤だし
きゅうりのぬか漬け
| 食材 | 成分・栄養素の手がかり |
|---|
| かぼちゃ | β-カロテン、ビタミンE、食物繊維 体内でビタミンAに変わるβ-カロテンを含みます |
| 帆立貝 | たんぱく質、タウリン、亜鉛 うま味の背景にはグリシンなどのアミノ酸があります |
| わかめ | 食物繊維、ミネラル 海藻らしいミネラルを含む食材です |
| おくら | 食物繊維、β-カロテン 独特のねばり成分を含みます |
| 豚バラ肉 | たんぱく質、ビタミンB1 糖の代謝に関わる栄養素として知られています |
※効能を保証するものではなく、食材に含まれる成分の一般的な説明です。
かぼちゃコロッケの甘みを作る、でんぷんと糖の静かな変化
かぼちゃを口にすると、まず感じるのはあのほっくりとした甘みです。ところが、この甘みは「もともと入っていた糖質」ではありません。かぼちゃの甘さの多くは、保存や加熱の過程で、でんぷんが糖へと姿を変えることで生まれます。
かぼちゃは収穫したばかりよりも、少し置いてから食べたほうが甘いと言われます。これは、収穫後もかぼちゃの中で酵素が働き、でんぷんの一部が少しずつ糖へと分解されていくためです。西洋かぼちゃはこの追熟によって甘みがのりやすく、農家さんが収穫後にしばらく寝かせることもあります。「新しいほどおいしい」とは限らないというのは、少し意外な話ではないでしょうか。
さらに面白いのは加熱です。かぼちゃに含まれるβ-アミラーゼという酵素は、60〜70℃あたりでよく働き、でんぷんを麦芽糖へと分解します。じっくり火を通すと、この温度帯を通過する時間が長くなり、甘みがぐっと引き出されます。急いで高温で揚げるより、あらかじめゆっくり蒸したり加熱したりしたかぼちゃのほうが甘く感じるのは、この酵素の働きが背景にあります。コロッケにする時、下ごしらえで丁寧に火を入れる意味は、まさにここにあるわけです。
豆知識をひとつ。かぼちゃの鮮やかなオレンジ色を作るβ-カロテンは、油と一緒に食べると体に取り込まれやすくなる性質があります。つまりバターを合わせて揚げるコロッケという料理は、色の成分の観点から見ても相性のよい組み合わせなのです。彩りのためだと思っていた色が、栄養の面でも手を組んでいるというのは、なかなか律儀な話です。
栄養面では、かぼちゃはβ-カロテンやビタミンEを含む食材として知られています。文部科学省「日本食品標準成分表2020年版」では、西洋かぼちゃ(生・可食部100gあたり)のβ-カロテン当量はおよそ4000μgと記載されています。緑黄色野菜の中でも存在感のある数字で、あの色の濃さにも納得がいきます。
ちなみに、かぼちゃは英語で「pumpkin」と思われがちですが、料理に使う西洋かぼちゃの多くは正確には「squash」に分類されます。ハロウィンでおなじみのオレンジの大きなかぼちゃとは、実は少し親戚のような関係。今日のコロッケの中にも、そんな「squash」の甘みがぎゅっと詰まっています。
【用語メモ】
・でんぷん:植物がエネルギーをためる形の糖の集まり。加熱や酵素で分解されると甘みが出やすくなります。
・β-アミラーゼ:でんぷんを麦芽糖へ分解する酵素。60〜70℃前後でよく働きます。
・追熟:収穫後にしばらく置くことで、甘みや風味が増していく変化のこと。
・β-カロテン:かぼちゃなどの色のもとになる成分で、体内でビタミンAに変わります。油となじみやすい性質があります。