豚肉のピカタ
新玉ねぎとわかめの酢の物
茄子の煮びたし
白ご飯
赤だし
高菜漬け
食品成分の数値は、文部科学省「食品成分データベース」を参考にしています。
いずれも可食部100gあたりの値で、実際の一食分の栄養量とは異なります。
豚肉は部位未指定のため、参考として「ぶた・大型種肉・ロース・脂身つき・生」の数値を掲載しています。
| 食材 | 成分表での食品名・条件 | 主な成分例 |
|---|
| 豚肉 | ぶた・大型種肉・ロース・脂身つき・生 | 水分60.4g、たんぱく質19.3g、脂質19.2g、ビタミンB1 0.69mg |
| 玉子 | 鶏卵・全卵・生 | 水分75.0g、たんぱく質12.2g、脂質10.2g、ビタミンD 3.8μg |
| チーズ | プロセスチーズ | 水分45.0g、たんぱく質22.7g、脂質26.0g、カルシウム630mg |
| 玉ねぎ | たまねぎ・りん茎・生 | 食物繊維総量1.5g、カリウム150mg |
| わかめ | 湯通し塩蔵わかめ・塩抜き・生 | 食物繊維総量2.9g、カルシウム50mg、ヨウ素810μg |
| 茄子 | なす・果実・生 | 水分93.2g、食物繊維総量2.2g、カリウム220mg |
豚肉は、たんぱく質と脂質を含む食材です。
ピカタでは玉子やチーズと合わせることで、肉だけとは違う焼き上がりの表情が生まれます。
玉子は、加熱によって固まり方が変わる食材です。
チーズはたんぱく質や脂質、カルシウムを含み、焼き物に香りとコクを添える素材です。
玉ねぎは水分を多く含み、酢の物にするとみずみずしい食感が出やすい食材です。
わかめは食物繊維やミネラルを含む海藻で、酢の物に海藻らしい香りと食感を添えます。
茄子は水分を多く含む野菜です。
煮びたしにすると、だしや調味料を含みながら、やわらかな食感に変わっていきます。
豚肉のピカタで見る、たんぱく質・脂質・ビタミンB1の栄養学
豚肉のピカタで注目したいのは、豚肉、卵、チーズという、たんぱく質を含む食材が重なるところです。 同じ「たんぱく質を含む食材」でも、豚肉、卵、チーズでは、水分、脂質、ミネラル、風味の方向がそれぞれ異なります。
文部科学省「食品成分データベース」によると、「ぶた/大型種肉/ロース/脂身つき/生」の可食部100gあたり、たんぱく質19.3g、脂質19.2g、ビタミンB1 0.69mgとされています。 豚肉は、たんぱく質と脂質を含みながら、ビタミンB1も豊富な食材です。
ビタミンB1は、糖質の代謝に関わる栄養素として知られています。 ここでいう代謝とは、食べた成分を体内で利用しやすい形に変えていく働きのことです。 健康効果を直接述べるものではありませんが、豚肉を栄養学の面から見るとき、よく注目される栄養素のひとつです。
ピカタでは、そこに卵が加わります。 「鶏卵/全卵/生」の可食部100gあたりでは、水分75.0g、たんぱく質12.2g、脂質10.2gとされています。 卵は水分が多く、加熱によってたんぱく質が固まる食材です。 この変化をたんぱく質変性といいます。 たんぱく質変性とは、熱などによってたんぱく質の形や性質が変わることです。
豚肉の表面に卵がまとわることで、豚肉だけを焼くときとは違う層ができます。 豚肉のたんぱく質は加熱によって締まり、卵のたんぱく質は熱で固まり、全体の口当たりにやわらかなまとまりを加えます。 これは栄養成分が重なるだけでなく、食材の構造も重なる料理でもあります。
さらにチーズが加わることで、脂質とカルシウムの要素が加わります。 「プロセスチーズ」の可食部100gあたりでは、たんぱく質22.7g、脂質26.0g、カルシウム630mgとされています。 チーズは水分が比較的少なく、たんぱく質、脂質、ミネラルがまとまっている食材です。
豚肉、卵、チーズを並べると、同じたんぱく質を含む食材でも、性質の違いが見えてきます。 豚肉は筋肉由来のたんぱく質と脂質を含みます。 卵は水分を多く含み、加熱で固まるたんぱく質を持ちます。 チーズは乳由来のたんぱく質と脂質、カルシウムを含みます。
この三つが重なることで、ピカタは単なる焼き物ではなく、動物性たんぱく質、脂質、水分、ミネラルが重なる料理になります。 そこに塩と胡椒が加わり、味の輪郭を整えます。 塩は食材の表面の水分にも関わり、胡椒は揮発性の香りを持ちます。 揮発性とは、温度が上がると空気中に広がりやすい性質のことです。
今回の献立では、副菜に新玉ねぎとわかめの酢の物を合わせています。 玉ねぎは水分を多く含み、わかめは食物繊維やミネラルを含む海藻です。 酢の物として合わせることで、主菜とは違う水分感と酸味が加わります。
茄子の煮びたしは、水分を多く含む茄子に、だしや調味料をしみ込ませる料理です。 豚肉のピカタがたんぱく質と脂質の重なりを持つ一方で、茄子は水分とだしのしみ込み方が特徴的な一皿です。
豚肉のピカタは、豚肉、卵、チーズの個性が重なる一品です。 たんぱく質という共通点を持ちながら、それぞれ水分量や脂質、ミネラル、加熱による変化が異なります。
一皿の中に、栄養成分の違いと、火を入れたときの食材の変化があります。 今日の豚肉のピカタを、そんな食材の重なりとともに楽しんでいただければと思います。