鶏ささみのピカタ
切り干し大根煮
モロヘイヤおひたし
白ご飯
赤だし
きゅうりのぬか漬け
| 食材 | 成分・栄養素の手がかり |
|---|
| 鶏ささみのピカタ | たんぱく質 低脂質でたんぱく質を多く含む部位として知られています |
| 切り干し大根煮 | 食物繊維・カルシウム 乾物にすることで水分が抜け、成分が凝縮した食材です |
| モロヘイヤおひたし | β-カロテン・カルシウム 緑黄色野菜の中でもこれらを多く含む野菜として知られています |
| きゅうりのぬか漬け | 乳酸菌・ビタミンB群 ぬか床由来の成分がなじむ発酵食品です |
※効能を保証するものではなく、食材に含まれる栄養素の一般的な説明です。
切り干し大根が「天日で濃くなる」理由と、太陽が仕込むうま味の話
切り干し大根は、ただ大根を細く切って乾かしただけ……のように見えて、実は乾く過程でけっこう面白いことが起きています。生の大根はおよそ9割が水分。それを天日で干していくと水分がどんどん抜けていき、残った成分がぎゅっと凝縮されます。文部科学省「日本食品標準成分表2020年版」では、干した切り干し大根(乾)100gあたりの食物繊維総量は21.3g、カルシウムは500mgと記載されていて、これは生の大根とはまるで別物の数字です。もちろん煮物にする時は水で戻すので、そのまま100g食べるわけではありませんが、それでも「乾かすと成分が寄り集まる」というのは乾物の大きな魅力です。
さらに天日干しには、水分を飛ばすだけでない働きがあります。乾く途中で大根の中の酵素が動き、でんぷんの一部が糖へと分解されていきます。これが切り干し大根特有のほのかな甘みの背景。太陽に当てて干したものが独特のべっこう色になり、甘い香りをまとうのは、糖とアミノ酸がゆるやかに反応するメイラード反応も関係していると考えられています。つまり切り干し大根の色と甘さは、お日さまが時間をかけて仕込んだ副産物のようなものなんです。
この凝縮したうま味は、今日の煮物のようにだしや醤油とよくなじみます。乾物は戻す時に水分を吸い込みますが、その時にだしの風味も一緒に抱え込むので、噛むと内側から味がにじむ。ちくわや油揚げのうま味も一緒に含ませると、噛むほどに複数の味が重なって出てきます。輪切り唐辛子のぴりっとした刺激は、その甘さとうま味の輪郭を軽く締める役目を担っています。
またこの切り干し大根、地域によって呼び名が変わり、関西では「千切り大根」、宮崎あたりでは寒風で干す「寒干し大根」など、乾かし方や気候で作り分けられてきました。特に宮崎は全国有数の産地で、冬の乾いた風と晴天という条件が、質の良い切り干し大根づくりにちょうどよかったのだそうです。乾物は「保存のための知恵」であると同時に、その土地の気候そのものを味に閉じ込めた食べ物でもあるわけです。
大根はあれだけ縮んで小さくなるのに、水で戻すとちゃっかり4倍前後まで膨らんで元気を取り戻します。台所で戻し過ぎて、ボウルからあふれそうになった経験がある方も多いのでは。乾いている姿からは想像しづらい、けっこうな伸びしろの持ち主なのです。
【用語メモ】
・酵素:食材の中で成分の分解や変化を進める、たんぱく質の一種。
・メイラード反応:糖とアミノ酸が反応して、色づきや香ばしい香りを生む変化。
・食物繊維:消化されにくく、腸の働きに関わる成分として知られる栄養素。