白身魚フライ(カレイ)
高野豆腐の鶏ひき肉はさみ煮
帆立とワカメのぬた
白ご飯
赤だし
きゅうりのぬか漬け
| 食材 | 成分・栄養素の手がかり |
|---|
| カレイ(白身魚) | たんぱく質を含み、脂質が控えめな白身魚として知られています。 |
| 高野豆腐 | 大豆由来のたんぱく質やミネラルを含む乾物です。 |
| 鶏ひき肉 | たんぱく質を含む食材です。 |
| 枝豆・ひじき | 食物繊維やミネラルを含みます。 |
| 帆立貝 | うま味成分やたんぱく質を含む貝類です。 |
| わかめ | 海藻由来のミネラルや食物繊維を含みます。 |
みそやぬか漬けなど、発酵にまつわる食材も献立に加わっています。
カレイの白身に隠れた、コラーゲンと「時間の経過」が作る食感の話
白身魚フライに使っているカレイ。淡白であっさりした印象の魚ですが、その身の質には興味深いものがあります。
カレイは海底で暮らす魚で、砂地に身をひそめて過ごす時間が長いタイプです。激しく泳ぎ回る回遊魚と違って、瞬発的に動く筋肉が発達しています。この筋肉は白っぽく見えるので「白身」と呼ばれ、脂質が控えめでたんぱく質が中心の身になりやすいんですね。文部科学省「日本食品標準成分表2020年版」では、まがれい(生・可食部100gあたり)のたんぱく質はおよそ19.6g、脂質はおよそ1.3gと記載されていて、脂質の少なさが数字にもよく表れています。
さて、カレイの身をよく観察すると、加熱したときにほろりとほどける感じがあります。これには身の中のコラーゲンが関わっています。生の状態ではしっかりした結合組織を作っているコラーゲンが、加熱によってゼラチン質へと変化し、身がほどけやすくなるわけです。フライのように高温で短時間仕上げると、外側の衣は水分が飛んで香ばしくなり、内側はしっとりした状態を保てます。衣のきつね色は、糖とアミノ酸が加熱で反応するメイラード反応によるもので、あの香ばしい香りの正体でもあります。
カレイやヒラメの仲間は、生まれたばかりの稚魚のうちは、普通の魚と同じように体の左右に目がひとつずつあります。ところが成長する過程で、片方の目が少しずつ移動して、最終的に片側に両目が寄ります。海底に体を横たえて暮らすための、なかなか大胆な体の作り替えなんですね。水揚げされたあと私たちが目にするカレイの「両目が片側にある姿」は、この長い引っ越しの結果というわけです。
ちなみに「左ヒラメに右カレイ」という見分け方の言葉が知られていますが、これには例外もいて、当のカレイ本人たちはそんなルールを知らずに泳いでいます。人間が勝手に決めた並び順に、魚は律儀に従ってくれるわけではないのが、なんとも自由でいいなと思います。
淡白な白身だからこそ、塩・胡椒と揚げの温度、そして衣の香ばしさが素直に主役を引き立てます。次に白身魚フライを口にするとき、この身がどんな海の底からやってきたのか、少しだけ想像してみると味わいが変わるかもしれません。
【用語メモ】
・コラーゲン:動物の身の結合組織を作るたんぱく質。加熱でゼラチン質に変化します。
・メイラード反応:糖とアミノ酸が加熱によって反応し、焼き色や香ばしい香りを生む反応。
・たんぱく質:筋肉などを構成する主要な栄養素のひとつ。