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本日の日替わりランチは、ささ身の梅肉はさみ揚げを主菜に、ねじりこんにゃくの甘辛炒め、水菜とひりょうずの煮物を合わせました。
白ご飯、赤だし、きゅうりのぬか漬けとともにご用意しています。
ささ身の梅肉はさみ揚げは、鶏ささ身に大葉と梅肉を合わせ、衣をつけて揚げた一品です。
梅肉は、梅干し、みりん、酒、砂糖で味を整えています。
ねじりこんにゃくの甘辛炒めは、こんにゃくを濃口しょうゆ、砂糖、みりんで炒めた副菜です。
水菜とひりょうずの煮物は、ひりょうずと水菜を、だし、みりん、薄口しょうゆ、酒、砂糖で煮含めています。
揚げ物、炒め物、煮物と、調理法が変わると、食材の水分、香り、歯ざわり、だしとのなじみ方も変わります。
本日も、かに久の日替わりランチを通して、和食の中の小さな食材学をお楽しみください。
ささ身の梅肉はさみ揚げ
ねじりこんにゃくの甘辛炒め
水菜とひりょうずの煮物
白ご飯
赤だし
きゅうりのぬか漬け
食品成分の数値は、文部科学省「食品成分データベース」を参考にしています。
いずれも可食部100gあたりの値で、実際の一食分の栄養量とは異なります。
| 食材 | 成分表での食品名・条件 | 主な成分例 |
|---|---|---|
| 鶏ささ身 | 若どり/ささみ/生 | 水分75.0g、たんぱく質23.9g、脂質0.8g、カリウム410mg、ナイアシン12.0mg、ビタミンB6 0.62mg |
| 大葉 | しそ/葉/生 | 水分86.7g、たんぱく質3.9g、食物繊維総量7.3g、カリウム500mg、β-カロテン当量11000μg |
| こんにゃく | 板こんにゃく/精粉こんにゃく | 水分97.3g、たんぱく質0.1g、脂質Tr、食物繊維総量2.2g |
| ひりょうずの参考 | がんもどき | 水分63.5g、たんぱく質15.3g、脂質17.8g、カルシウム270mg、鉄3.6mg |
| 水菜 | みずな/葉/生 | 水分91.4g、たんぱく質2.2g、食物繊維総量3.0g、カリウム480mg、カルシウム210mg、ビタミンC 55mg |
| きゅうりのぬか漬け | きゅうり/漬物/ぬかみそ漬 | 水分85.6g、たんぱく質1.5g、食物繊維総量1.5g、カリウム610mg、ナトリウム2100mg |
鶏ささ身は、たんぱく質を多く含み、脂質は少なめの部位です。
梅肉や大葉と合わせることで、肉の淡白な印象に、酸味と香りが添わります。
こんにゃくは水分を多く含み、食物繊維を含む食材です。
甘辛く炒めることで、しょうゆやみりんの味が表面になじみ、歯ざわりのある副菜になります。
水菜は水分を多く含み、ビタミンCやカルシウムなども含む野菜です。
ひりょうずと煮ることで、だしのうま味と大豆加工品のコク、水菜の青みが重なります。
きゅうりのぬか漬けは、塩味と酸味があり、少量でも献立の中で口の中を切り替える役割を持ちます。
ささ身の梅肉はさみ揚げで見る、淡白な肉質と香りの重ね方
ささ身の梅肉はさみ揚げで掘り下げたいのは、鶏ささ身の淡白な肉質と、梅肉・大葉の香りの重ね方です。
鶏ささ身は、鶏肉の中でも脂質が少なく、すっきりした印象を持つ部位です。
そのまま加熱すると、味の主張は強くありません。
だからこそ、何を合わせるかで料理の表情が大きく変わります。
今回のささ身の梅肉はさみ揚げでは、鶏ささ身に大葉と梅肉を合わせています。
淡白な肉質の中に、梅の酸味と大葉の青い香りを挟み、外側を衣で包んで揚げる。
この組み立てによって、ささ身そのものの軽さを残しながら、香りと酸味の輪郭を作っています。
文部科学省「食品成分データベース」によると、「若どり/ささみ/生」の可食部100gあたり、水分75.0g、たんぱく質23.9g、脂質0.8gとされています。
また、カリウム410mg、ナイアシン12.0mg、ビタミンB6 0.62mgも掲載されています。
ささ身は、たんぱく質を多く含み、脂質が少なめの部位として見ることができます。
ささ身の特徴は、脂の厚みよりも、肉の繊維感と水分の扱いにあります。
脂質が少ない分、加熱しすぎると水分が抜け、食感が締まりやすくなります。
揚げ物にする場合も、衣の香ばしさを作りながら、内側のささ身を乾かしすぎないことが大切です。
ここで衣が働きます。
衣は、ただ香ばしさを足すだけではありません。
油の熱を外側で受け止め、衣の水分を飛ばしながら、内側のささ身に火を入れていきます。
外側には揚げ物らしい香ばしさが生まれ、内側にはささ身、大葉、梅肉の重なりが残ります。
ささ身は、肉そのものの味が穏やかなため、梅肉との相性が見えやすい食材です。
梅干しには酸味と塩味があり、みりん、酒、砂糖を合わせることで、鋭い酸味だけでなく、少し丸みのある梅肉になります。
この梅肉がささ身の間に入ると、噛んだときに酸味がふっと出て、肉の淡白さに輪郭を添えます。
酸味は、脂の多い料理だけでなく、淡白な食材にもよく働きます。
脂を切るというより、味の焦点を作るような働きです。
ささ身のように穏やかな食材では、梅の酸味があることで、味がぼんやりせず、食べ進めたときの印象がはっきりします。
大葉は、香りの面でとても大切です。
文部科学省「食品成分データベース」によると、「しそ/葉/生」の可食部100gあたり、水分86.7g、たんぱく質3.9g、食物繊維総量7.3g、β-カロテン当量11000μgとされています。
ただし、実際に使う量は数枚程度なので、栄養量としてよりも、香りの食材として見ると分かりやすい存在です。
大葉の香りは、揚げ物の中で少し特別です。
油で加熱されると香りが弱くなりやすい一方で、ささ身と梅肉に挟まれることで、直接強い熱に当たりすぎず、青い香りの印象が残りやすくなります。
外側の衣、内側のささ身、その間にある大葉と梅肉。
重なり方そのものが、香りを守る小さな構造になっています。
しその香りを語るときには、ペリルアルデヒドという香気成分の名前が出てくることがあります。
大葉らしい清涼感のある香りを考えるときの手がかりになる成分です。
成分名だけを見ると少し難しく感じますが、料理の中では「青い香り」「さっぱりした印象」として感じられます。
ここで少し面白いのが、梅肉と大葉の関係です。
梅干しを漬けるときに赤い色をつける赤じそは、この料理に使う大葉、つまり青じそと同じシソの仲間です。
梅と大葉は、もともと食卓の中で近い関係にある食材で、この料理は言ってみれば親戚どうしを合わせているような組み合わせです。
だからこそ、梅肉の酸味と大葉の青い香りは、ぶつかることなく自然に重なります。
梅肉と大葉は、どちらも少量で料理の印象を変える食材です。
梅肉は酸味と塩味、大葉は青い香り。
この二つがささ身の中に入ることで、肉の量以上に、香りの方向がはっきりします。
ここで面白いのは、主役が必ずしも強い味である必要はないということです。
ささ身は、牛肉や青魚のように強い脂や香りを持つ食材ではありません。
けれど、その穏やかさがあるからこそ、梅肉や大葉の細い香りがよく見えます。
食材の控えめな性格が、別の食材の個性を受け止めているとも言えます。
栄養学の面では、ささ身に含まれるビタミンB6やナイアシンにも注目できます。
ビタミンB6は、たんぱく質の代謝に関わる栄養素です。
ナイアシンは、エネルギーの代謝に関わるビタミンのひとつです。
こうした成分は、ささ身を栄養学の面から眺めるときの手がかりになります。
一方で、料理として見るなら、数値以上に大切なのは構造です。
ささ身を開く。
梅肉と大葉を挟む。
衣をまとわせる。
油で揚げる。
この順番の中で、淡白な肉、酸味、香り、衣の香ばしさが一つの形になります。
副菜のねじりこんにゃくの甘辛炒めとは、食感の方向が違います。
こんにゃくは水分を多く含み、弾力のある歯ざわりを持つ食材です。
濃口しょうゆ、砂糖、みりんで炒めることで、表面に甘辛い味がなじみます。
ささ身のやわらかい繊維感に対して、こんにゃくは噛むリズムを作る副菜になります。
水菜とひりょうずの煮物も、また別の方向です。
ひりょうずは大豆加工品らしいたんぱく質と脂質を含み、だしを含むことで煮物らしい丸みが出ます。
水菜は水分を多く含み、青みと軽い歯ざわりを添えます。
揚げ物の香ばしさ、こんにゃくの弾力、煮物のだし。
献立の中で、それぞれ違う食感と香りが並びます。
ささ身の梅肉はさみ揚げは、強い味で押す料理ではありません。
淡白なささ身に、梅肉の酸味、大葉の香り、衣の香ばしさを重ねる料理です。
控えめな食材に、少しずつ香りを重ねることで、食べたときの印象が立ち上がります。
今日のささ身の梅肉はさみ揚げを、そんな鶏ささ身のたんぱく質、梅肉の酸味、大葉の香り、衣の働きとともに楽しんでいただければと思います。
【用語メモ】
・香気成分:食材の香りを形づくる成分のことです。大葉の香りを考えるときにも手がかりになります。
・ペリルアルデヒド:しその香りを語るときによく登場する香気成分のひとつです。赤じそと青じそに共通して含まれます。
・ビタミンB6:たんぱく質の代謝に関わる栄養素です。
・ナイアシン:エネルギーの代謝に関わるビタミンのひとつです。

