鰈の香草パン粉焼き
昆布と大豆の煮物
アスパラガスの豚バラ肉巻
白ご飯
赤だし
きゅうりのぬか漬け
| 食材 | 成分・栄養素の手がかり |
|---|
| 鰈 | たんぱく質 脂質が控えめな白身魚として知られています。 |
| 大豆 | たんぱく質・食物繊維 植物性たんぱく質を含む食材です。 |
| 昆布 | うま味成分(グルタミン酸)・ミネラル だしのうま味に関わる成分を含みます。 |
| アスパラガス | 葉酸・アスパラギン酸 名前の由来にもなった成分を含みます。 |
| 豚バラ肉 | たんぱく質・ビタミンB1 糖質の代謝に関わる栄養素として知られています。 |
淡白な鰈と、コクのある豚バラ、うま味の昆布を組み合わせることで、味の輪郭がそれぞれ立つ献立になっています。
鰈の香草パン粉焼きに見る、白身の水分とパン粉の焼き色
鰈は「左ヒラメに右カレイ」という言い回しでおなじみですが、実はこの見分け方、例外もそこそこあって、魚屋さん泣かせだったりします。目の向きだけで断言するとちょっと危ういのが、生き物のおもしろいところですね。
さて、その鰈は脂質が控えめで、身の多くを水分とたんぱく質が占める白身魚です。水揚げ後、時間の経過とともに筋肉のたんぱく質にはうま味のもとになるイノシン酸が少しずつ生まれてきます。淡白に見えて、実は内側でしっかりうま味の下ごしらえが進んでいるわけです。
白身魚を焼くうえで難しいのが、水分の扱いです。加熱するとたんぱく質が変性して身がしまり、同時に水分がじわりと外へ移動していきます。ここで身を守ってくれるのがパン粉の衣。表面をパン粉で覆うことで水分が一気に逃げるのをやわらげ、中はしっとり、外はさっくりという二層の食感を作ります。
そしてパン粉が色づく時に起きているのが、メイラード反応です。パン粉に含まれる糖と、香草やソースのアミノ酸が加熱で反応し、香ばしい香りときつね色を生みます。バジルやオレガノ、マジョラムといったハーブの香り成分は油になじみやすい性質があるので、パン粉やソースの油分にすっと溶け込み、焼き上がりの香りに厚みを添えてくれます。
ちょっと鰈の話から外れますが、付け合わせのアスパラガスに含まれる「アスパラギン酸」という成分は、名前の通りアスパラガスから発見されたことに由来します。1806年頃にアスパラガスの搾り汁から見つかったのが最初とされ、野菜が成分名の名付け親になったちょっと珍しい例なんです。食卓の脇役が、実は化学の教科書に名前を残しているというのは、なんだか誇らしい話ですよね。
淡白な鰈、香ばしいパン粉、油になじむハーブの香り。それぞれの成分と加熱変化が重なって、一皿の表情が出来上がっています。
【用語メモ】
・たんぱく質変性:熱などによって、たんぱく質の形や性質が変わること。身がしまるのはこの働きによります。
・メイラード反応:糖とアミノ酸が加熱で反応し、焼き色や香ばしい香りを生む反応。
・イノシン酸:魚や肉に含まれる、うま味に関わる成分のひとつ。
・香り成分:香りのもとになる成分。油になじみやすいものが多くあります。