いかの天ぷら
おくらと山芋の梅肉和え
茶碗蒸し
白ご飯
赤だし
高菜漬け
| 食材 | 成分・栄養素の手がかり |
|---|
| いか | たんぱく質、タウリン 低脂質で、たんぱく質を含む食材として知られています |
| かぼちゃ・さつまいも | 炭水化物、β-カロテン、ビタミンC 彩りと甘みを添える野菜です |
| おくら・山芋 | 食物繊維、粘り成分 独特の食感を生む成分を含みます |
| 卵(茶碗蒸し) | たんぱく質 加熱でやわらかく固まる性質があります |
| 梅干し | クエン酸 酸味のもとになる成分を含みます |
揚げ物にはさつまいもやかぼちゃの糖質、和え物や茶碗蒸しにはたんぱく質と、献立全体で栄養のバランスをとりやすい組み合わせになっています。
いかの天ぷらに潜む、タウリンと「加熱すると縮む」あの理由
いかを噛んだとき、あの独特のしっかりした歯ごたえがありますよね。あれ、実はいかの筋肉の作りにヒントがあります。いかの身は、繊維が体の輪切り方向にきれいに並んでいて、さらにそれを薄い膜(結合組織)が層になって包んでいます。この構造のおかげで、加熱すると身がキュッと縮んで反り返るんです。天ぷらで衣が持ち上がるように丸くなるのも、この収縮のしわざ。火の通し方ひとつで、やわらかくもゴムっぽくもなる、なかなか気難しい食材でもあります。
成分の面で面白いのがタウリンです。名前は栄養ドリンクでおなじみですが、もともとは1827年に牛の胆汁から見つかった成分で、ラテン語の「Bos taurus(雄牛)」が語源。つまり“タウリン”の名前の裏には牛が隠れているのに、実際にたっぷり含んでいるのは、いかやたこ、貝といった海の生き物という、ちょっとしたねじれがあります。タウリンは魚介のうま味や後味の輪郭を作る一員でもあり、栄養学の分野でも注目される成分として知られています。
いかはたんぱく質を含みながら脂質が控えめな食材で、あっさりとした口当たりの背景にはこの脂質の少なさがあります。だからこそ天ぷらのように油をまとわせる調理と相性がよく、衣の香ばしさが、いか自身の淡い甘みを引き立ててくれます。この香ばしさの正体は、衣の糖とアミノ酸が高温で結びつくメイラード反応。きつね色と香りは、この反応が生んだ小さな作品です。
ちなみにいかを揚げると、たまに油が「パチッ」と勢いよくはねますよね。あれはいかの身に残った水分が衣の中で一気に水蒸気に変わって逃げ出すため。いかは水分を多く抱えている食材なので、揚げるときに水気をよく拭くのは、味のためだけでなく、揚げ手の安全のためでもあるわけです。天ぷらは、静かに見えて実は水と油の攻防戦なんですね。
【用語メモ】
・タウリン:魚介類などに多く含まれるアミノ酸に似た成分。うま味や後味にも関わるとされる。
・結合組織:身をまとめている膜状の組織。加熱で縮み、食感に影響する。
・メイラード反応:糖とアミノ酸が加熱で反応し、焼き色と香ばしい香りを生む反応。