肉じゃが
いんげんと人参の黒胡麻和え
だし巻き卵
白ご飯
赤だし
きゅうりのぬか漬け
食材ごとのおおよその成分を、やわらかく整理しました。
| 食材 | 成分・栄養素の手がかり |
|---|
| 牛肉 | たんぱく質・鉄・亜鉛 体づくりに関わる栄養素として知られています |
| じゃがいも | でんぷん・ビタミンC・カリウム エネルギー源になる炭水化物を含みます |
| にんじん | β-カロテン 体内でビタミンAに変わる成分として知られています |
| いんげん | 食物繊維・葉酸 緑黄色野菜らしい栄養素を含みます |
| 黒胡麻 | 脂質・カルシウム・鉄 種子ならではのミネラルを含みます |
| 玉子 | 良質なたんぱく質・ビタミン類 体づくりに必要な栄養素を含みます |
※成分の一般的な傾向をまとめたもので、量や体感を保証するものではありません。
肉じゃがに起こる、でんぷんの糊化と無水調理の水分の行き先
肉じゃがのじゃがいも、あのほくほくの正体はでんぷんです。生のじゃがいもをかじってもほくほくしないのは、でんぷんの粒がまだ固く詰まった状態だから。ここに熱と水分が加わると、でんぷんの粒が水を吸い込んでふくらみ、やわらかく崩れやすくなります。これが「糊化(こか)」と呼ばれる変化で、ごはんが炊けるのも、じゃがいもがほくほくするのも、根っこは同じ現象です。
今日は無水で煮ています。無水といっても魔法ではなく、玉ねぎやじゃがいも、にんじんがもともと抱えている水分を煮汁として使っている、という話です。野菜は重さの大半が水分で、加熱すると細胞のしきりがゆるみ、中の水がじわじわと外へ出てきます。この出てきた水分と、牛肉から溶け出したうま味や脂が混ざり合い、外から水を足さないぶん、味が薄まりにくい煮汁になります。
じゃがいものでんぷんは、煮汁にもわずかに溶け出します。これが煮汁にほんのりとろみを添え、醤油や砂糖の味を具材に留める役割を果たします。煮物が冷める過程で味がしみると言われるのも、温度が下がると水分が具の内側へ移動しやすくなるからで、うま味だけが吸い込まれる不思議ではなく、水分と一緒に運ばれていくイメージです。
じゃがいもを煮崩れさせたくないときは、実は温度がカギになります。じゃがいもには「ペクチンメチルエステラーゼ」という酵素があって、これがだいたい50〜60℃くらいの低めの温度でじわっと働くと、細胞同士をつなぐペクチンが崩れにくい形に整えられ、煮崩れしづらくなると言われています。いきなり強火の高温よりも、一度ぬるめの温度帯を通してから煮上げたほうが形が残りやすい、というわけです。品種でいうと、メークインが煮崩れしにくく男爵がほくほく崩れやすいのも、でんぷん量と細胞のつくりの違いが背景にあります。
ちなみに牛肉と一緒に煮ると、玉ねぎの甘みがぐっと前に出てきますよね。あれは加熱で玉ねぎの辛み成分が飛び、糖の甘さが素直に感じられるようになるから。玉ねぎ、生だとあんなに強気なのに、火が入るととたんに愛想がよくなるんですよね。
【用語メモ】
・でんぷん:植物がエネルギーをためる炭水化物。加熱と水分でやわらかく変化します。
・糊化:でんぷんが水を吸ってふくらみ、やわらかく消化しやすい状態に変わること。
・酵素:食材の中で特定の反応を進める、たんぱく質でできた成分。
・ペクチン:植物の細胞同士をつなぐ成分。加熱や酵素の働きで固さが変わります。