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本日の日替わりランチは、肉じゃがを主菜に、だし巻き卵、白菜のおひたしを合わせました。
白ご飯、赤だし、高菜漬けとともにご用意しています。
肉じゃがは、牛肉、玉ねぎ、じゃがいも、にんじんを、醤油、砂糖、酒で煮る一品です。
今回は無水調理で仕上げるため、野菜から出る水分や素材の甘みが、煮汁の表情に関わります。
だし巻き卵は、玉子に白醤油と一番だしを合わせた焼き物です。
白菜のおひたしは、白菜と人参を、だし、みりん、しょうゆで落ち着かせた副菜です。
身近な献立も、食材の水分、でんぷん、たんぱく質、だしの含み方に目を向けると、いつもと少し違って見えてきます。
本日も、かに久の日替わりランチを通して、和食の中の小さな食材学をお楽しみください。
肉じゃが
だし巻き卵
白菜のおひたし
白ご飯
赤だし
高菜漬け
食品成分の数値は、文部科学省「食品成分データベース」を参考にしています。
いずれも可食部100gあたりの値で、実際の一食分の栄養量とは異なります。
黒毛和牛は食品成分表に単独項目がないため、近い参考として「和牛肉/かたロース/脂身つき/生」の数値を掲載しています。
| 食材 | 成分表での食品名・条件 | 主な成分例 |
|---|---|---|
| 牛肉 | 和牛肉/かたロース/脂身つき/生 | 水分47.9g、たんぱく質13.8g、脂質37.4g、亜鉛4.6mg |
| じゃがいも | じゃがいも/塊茎/皮なし/生 | 水分79.8g、炭水化物17.3g、食物繊維総量8.9g、カリウム410mg |
| 玉ねぎ | たまねぎ/りん茎/生 | 水分90.1g、食物繊維総量1.5g、カリウム150mg |
| にんじん | にんじん/根/皮なし/生 | 水分89.6g、食物繊維総量2.8g、β-カロテン当量7600μg |
| 玉子 | 鶏卵/全卵/生 | 水分75.0g、たんぱく質12.2g、脂質10.2g |
| 白菜 | はくさい/結球葉/ゆで | 水分95.4g、たんぱく質0.9g、脂質0.1g |
牛肉は、たんぱく質と脂質を含む食材です。
肉じゃがでは、煮汁の中で野菜の水分や調味料と重なり、料理全体の風味に関わります。
じゃがいもは、水分と炭水化物を含むいも類です。
加熱すると、でんぷんの状態が変わり、煮物らしいほくっとした食感に近づきます。
玉ねぎとにんじんは水分を多く含む野菜です。
玉ねぎは加熱によって辛味の印象がやわらぎ、にんじんはβ-カロテンを含む緑黄色野菜として知られています。
玉子は、たんぱく質と脂質を含む食材です。
だし巻き卵では、だしの水分と玉子のたんぱく質の変化が、口当たりに関わります。
白菜は水分を多く含む野菜です。
おひたしにすると、だしや調味料を受け止めながら、やわらかな食感になります。
肉じゃがで注目したいのは、じゃがいものでんぷんと、無水調理による水分の動きです。
肉じゃがは家庭的な煮物として親しまれていますが、食材の成分を見ていくと、じゃがいも、玉ねぎ、にんじん、牛肉がそれぞれ違う役割を持っています。
文部科学省「食品成分データベース」によると、「じゃがいも/塊茎/皮なし/生」の可食部100gあたり、水分79.8g、炭水化物17.3g、食物繊維総量1.3g、カリウム410mgとされています。
じゃがいもは水分を多く含みながら、炭水化物を含むいも類です。
肉じゃがの中で大きな役割を持つのが、この炭水化物の中心となるでんぷんです。
でんぷんは、植物がエネルギーを蓄えるために持っている成分です。
加熱されると、水分を吸いながら粒がふくらみ、やわらかくなっていきます。
この変化を糊化といいます。
糊化とは、でんぷんが水と熱を受けてふくらみ、粘りややわらかさを持つ状態へ変わることです。
じゃがいもが煮物の中でほくっとした印象に近づくのは、このでんぷんの変化が関わっています。
ただし、じゃがいもはでんぷんだけでできているわけではありません。
細胞の中には水分があり、細胞同士をつなぐ成分もあります。
加熱によって細胞のまとまり方が変わることで、煮物らしいやわらかさが出てきます。
今回は無水調理です。
無水調理では、水をたっぷり加えるのではなく、食材がもともと持っている水分を利用して火を入れていきます。
玉ねぎは「たまねぎ/りん茎/生」の可食部100gあたり水分90.1g、にんじんは「にんじん/根/皮なし/生」の可食部100gあたり水分89.6gとされています。
こうした野菜の水分が、煮汁の土台になります。
無水調理の面白いところは、調味料だけで煮ているように見えて、実際には食材自身の水分が大きく働いているところです。
玉ねぎは加熱によって辛味の印象がやわらぎ、甘みを感じやすくなります。
にんじんは煮汁の中でやわらかくなり、β-カロテンを含む緑黄色野菜として、献立の色合いにも関わります。
牛肉も、この煮汁の中で変化します。
黒毛和牛そのものの成分値ではありませんが、近い参考として「和牛肉/かたロース/脂身つき/生」で見ると、可食部100gあたり、たんぱく質13.8g、脂質37.4g、亜鉛4.6mgとされています。
牛肉に火が入ると、たんぱく質変性が起こります。
たんぱく質変性とは、熱などによってたんぱく質の形や性質が変わることです。
加熱によって肉の組織は締まり、脂質は温度によってやわらかくなります。
この脂質は、肉じゃがの煮汁に牛肉らしい風味を添える要素になります。
肉じゃがの調味は、醤油、砂糖、酒です。
醤油は塩味とうま味の輪郭を添え、砂糖は甘みを加えます。
酒は、加熱中に香りが変化しながら、肉や野菜の風味をまとめる方向に働きます。
無水調理では水分量が限られるため、野菜から出る水分と調味料の濃度変化が、味のまとまりに関わります。
栄養学の面から見ると、肉じゃがは、牛肉のたんぱく質と脂質、じゃがいもの炭水化物、玉ねぎやにんじんの水分や食物繊維が一皿の中で重なる料理です。
白ご飯と合わせる献立では、主菜の中にもいも類の炭水化物が入り、肉、野菜、いもが同じ煮汁の中でまとまります。
同じ煮物の中で、牛肉はたんぱく質と脂質、じゃがいもはでんぷん、玉ねぎとにんじんは水分と香りを担っています。
副菜のだし巻き卵では、卵のたんぱく質がだしの水分を抱えながら焼き固まります。
白菜のおひたしでは、水分の多い白菜に、だし、みりん、しょうゆがなじみます。
肉じゃがが、でんぷんと肉のたんぱく質を中心にした煮物だとすると、副菜はだしと水分の扱いが見どころになります。
肉じゃがは、黒毛和牛、じゃがいも、玉ねぎ、にんじんを同じ鍋で煮る料理です。
その中では、じゃがいものでんぷんの糊化、野菜からの水分移動、牛肉のたんぱく質変性、調味料の濃度変化が同時に進んでいます。
身近な煮物の中にも、でんぷん、水分、たんぱく質、脂質の小さな設計があります。
今日の肉じゃがを、そんな食材の変化とともに楽しんでいただければと思います。

